消費税率引上げと経過措置

 「社会保障と安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正されました。

 それに伴い、消費税の税率が、平成26年4月1日に「8%」に引き上げられました。さらに平成29年4月1日には「10%」と、2段階で引き上げられる予定です。

 この消費税の税率引き上げに伴い、次のような経過措置が設けられています。
 以下、8%への税率引上げ時についての主な経過措置です。

原則

 原則は、完成引き渡し時の消費税率で計算します。

 例えば、平成26年4月1日(以下、「施行日」)の前日までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れであっても、これらが施行日以後に完成・引き渡しが行われた場合、8%の税率が適用されることになります。

 また、施行日前に仕入れた商品を、施行日以後に販売する場合には、施行日前に行った課税仕入れ等は5%の税率が適用され、施行日後に行った資産の譲渡等には8%の税率が適用されることになります。

経過措置の特例

「工事の請負等の税率等に関する経過措置」(平成24年8月22日改正消費税法附則第5条第3項)


 建物の建築工事などの工事請負契約については特例が設けられています。

 平成25年10月1日(以下、「指定日」)の前日9月30日までに工事請負契約を締結した場合、建物等の完成引き渡し時期が施行日以後になっても、建物に係る消費税率は引き上げられる前の5%が適用されることとなります。
(指定日後で、かつ施行日前の契約で、建物の完成引き渡し時期が施行日以後である場合には、消費税は原則通り8%となります。)



 仕入税額控除の対象となる材料等の購入費や、外注費の支払いなどの事業上 の経費に係る消費税については、以下のような取扱いとなります。


・売買契約による仕入れ
  材料の購入などの売買契約による仕入れは、その物品の引き渡しを受けた
    日の税率が適用されます。

・請負契約による仕入れ
  下請業者への外注などの請負契約については、その下請業者の施工部分の
  引き渡しを受けた日の税率が適用されます。

   材料の購入などの売買契約による仕入れは、その物品の引き渡しを受けた
   日の税率が適用されます。

   ただし、工事請負契約であるため、その外注工事契約が指定日の前日まで
   に締結されている場合には当然、経過措置の対象となります。






工事の対価等に増額があった場合

 指定日後に対価の額が増額され、かつ増額部分を含めた引き渡しが施行日後の場合には、その増額部分については、この経過措置は適用されません。増額部分については8%の税率で課税されます。



工事の請負の着手日

 指定日の前日までに工事の請負契約を締結したのであれば、施行日前に工事に着手するかどうか、その契約に係る対価の全部又は一部を収受しているかどうか、目的物の引き渡しが施行日以後のいつになるかどうかに関わらず、この経過措置が適用されます。



契約書について

 契約書の有無はこの経過措置の適用を受ける要件とはなっていません。
 しかし、契約の締結時期や工事内容が経過措置の適用要件を満たすことを明らかにするために、契約書その他の書類が必要となります。



通知義務

 これらの経過措置の適用を受けた事業者は、その相手方に対して、その課税資産の譲渡等が経過措置の適用を受けたものであることにつき、書面により通知することとされています。
 なお、この通知は請求書等にその旨を表示することとして差し支えないものとする、とされています。

その他の経過措置の特例

工事の請負に関する経過措置以外では、主なもので以下のようなものがあります。



旅客運賃等の税率等に関する経過措置

 施行日以後に行うJRの切符、映画の前売券、遊園地等への入場料金等のうち、施行日の前日までに領収している場合、5%の税率が適用されます。

 この経過措置が適用されるかどうかの判定には、乗車券等が発行されているかどうかは問わないので、いわゆるチケットレスサービスであっても適用されます。

 ただし、施行日前にICカードに現金をチャージし、施行日以後にICカードにより乗車券等を購入する場合、チャージされた時点では乗車券等の販売を行っていることにはならないため、経過措置の適用はありません。




資産の貸付け等の税率等に関する経過措置

 指定日の前日までに締結した資産の貸付けに係る契約で、施行日前から引き続きその契約に係る資産の貸付けを行っている場合においては、施行日以後に行う当該資産の貸付けについては、5%の税率が適用されます。




有料老人ホーム(介護サービス)の税率等に関する経過措置

 事業者が、指定日の前日までの間に締結した有料老人ホームに係る終身入居契約で、入居期間中の介護料金(消費税が非課税とされるものを除く。)を入居一時金として受け取っており、かつ、その一時金について事業者が事情の変更その他の理由によりその額の変更を求めることができる旨の定めがないものに基づき、施行日前から施行日以後引き続き介護に係る役務の提供を行っている場合には、施行日以後に行われる当該入居一時金に対応する役務の提供については、5%の税率が適用されます。

安藤澄子税理士事務所は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。

東京税理士会所属

お気軽にお問合せください。
安藤澄子税理士事務所
TEL:03-3909-3787
sumiko-ando@tkcnf.or.jp

ここに文章を入力してください